your love
食堂
翌日。
広樹が言っていた、明日、つまり今日だ。
ピリリリリ。
「ん???」
二人のケータイが一斉に鳴った。
ーーー
食堂来て。
広樹
ーーー
…スリ癖ってこういうことか。
勝手にスって、勝手に登録する。
二人、顔を見合せ、吹き出した。
ちなみに、二人は同じクラス。
「行こっか。」
「そだね」
軽い足取りで食堂へ向かった。

ガヤガヤ。
そんな擬音が似合う。
「…???いないね」
「そだね???…どこにいるのかな… キャッ!?」
突然、視界が真っ暗になった。
「だーれだ???」
この声は純二だ。
「ええと…純二先輩???」
「ぶっぶー。正解は…」
手が外され。
「りゅ…龍介先輩!!?」
き…汚ねぇ!!?声だけ違うだとッッ!!?
「隆紀先輩??」
里菜も同じことをされていたらしい。
「りッ…」
シャラン…
くびもとで何かが揺れた。
「え…」
ネックレス。女子高生に人気のブランド、love eggの、新作ネックレス。前々から狙っていた、新作だ。
「あの…これって…」
辺りを見回す。すると、龍介が白い頬をほんのりと染め、言った。
「昨日…悪かったから…」
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