〜君へ〜

〜友達〜

悟が入社してから1週間が経った。

四人で飲んだあの日の夜カラ、悟には会社内で一度も会ってない。

研修やら会社説明などで、ここ一週間ずっと別の部署にいるみたい…。

正直ホッとする…。まだ、私の中の動揺が片付いてない。


「彼女いますよ。」


悟の一言が頭から離れない。

もう「好き」って気持ちは無いはずなのに…



-ガチャ-


「ぁ、藤山。」



「課長。どうしたんですか?」


「藤山の机の隣、空いてるよな?」



「?…ぁ、はぃ。空いてますケド。」


「じゃあ軽く机の周り片付けておいてくれるか?」


「…?ハァ。」


「教育も研修も全て終わって、今日の午後から新人の沖野クンが部署入りするカラさ。」


「ぇっ…ぁ。そ、そうなんですか。……って!!私の隣ですか!?」


「そうだ。何かまずかったか?」



…………


「まぁ、そういう訳だ。昼までには片付けておいてくれ。それじゃ。」

-ガチャ-


用件を伝えるだけ伝えて課長は足早に部署を去っていった。


あんな事聞いてから一度も会ってないのに…。どんな顔して会えばいいんだろう。これから毎日私の隣に悟がいるんだ…。


「大変だね〜。雑用頼まれちゃって。」

「メグ〜…。」


「雑用頼まれただけにしちゃ、妙に落ち込み過ぎだとは思うケド。」


-ドキッ-


やっぱりメグは鋭い。


「この前カラ夏美ずーっと変。隠し事言いたくないのはわかるケド、そんなに悩むならちょっとはァタシに相談してくれてもいーんじゃないの?」



「メグ…」


もうメグには隠し続けられない。



おもむろに課長に頼まれた隣の机の片付けをしながら私は口を開いた。



「あのね…」



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