〜君へ〜
-バサッ-


隣の机の上に散らばってる書類をまとめる。
そして私の話を聞き終えたメグが口を開いた。



「なるほどねぇ…。元彼だったんだ。沖野クン。」


「ぅ、うん…。」


「それで?夏美はまだ沖野クンが好きなのね?」


「ぇ!?ぃゃッ…それは…」


「好きじゃないならそんな悩まないでしょ。」



「それが…自分でもよくわかんないの。別れてカラ時間も経って、好きって気持ちは無くなったと思ってた。」


「……。」


「でも…。あの夜、悟の言った"彼女いる"の一言がずっと頭から離れなくて…。」


「……。」





メグが何も言わなくなった。お互いしばらく黙ったまま、机の上を片付ける。





…………


……




この沈黙を先に切ったのはメグだった。



「ちょっとランチ行こっか。」


「ぇ??ぁ…まだぉ昼休憩まで15分もあるよ??」

「いーから②☆」


「ちょ…メグッ!!」


「山田!!ァタシら外回り行くついでにランチも行って来るカラ、ここ任したよ!!」

「ぇっ!?ぇえ!?僕がですか!?!?」


-ギロッ-


「何よ。文句あんの?」



「…わかりました。泣」


「ぁと、これ10部ずつコピー。ァタシが戻ってくるまで絶対終わらせといてよ。」


「わかりましたよ〜…泣」


可哀相な山田クン。彼は私達より先輩なのに、メグに逆らえずにいる。
簡単に言えばメグの下っ端みたいな感じ。



「夏美!!ボサッとしてないでいくよ。」

「ぁっ…ぅん!ごめんね、山田クン。」

「夏美ちゃん…☆」

「山田!!夏美に近寄るな!」



メグに手を掴まれ、二人で部署を飛び出した。



「まったく…。山田の奴、なんか夏美を変な目で見てなぃ?」



「ねぇ②!!メグ…本当にィィのかな…。もし課長に見つかったら…」


「大丈夫②。とりあえず腹ごしらえだ!ね☆よく言うじゃん。腹が減っては戦はできぬ…って☆」

自信たっぷりに言い切ったメグ。

ァタシ別に戦うワケじゃないのにー!!
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