短編
さーん
「あーあ、失恋決定…。」
好きな人が女の子と手を繋ぎながら帰っていくのを自分の教室の窓から目撃してしまった。
なんて、タイミング…。
明日に迫った乙女達の勝負の日!
《バレンタイン》
その日に私も好きな人にチョコを渡し告白をするつもりだった。
その前に失恋決定…あー泣きそう。
「どうしよう…」
「なにが?」
「うひぁっ!?」
急に気配もなく後ろから声をかけてきたのは同じクラスの田中くん。
平凡な苗字だけど顔は非凡なモテモテ男子。
「ふはっ、変な声。」
「いや、田中くんが急に声かけるからでしょ」
確かに変な声だったけども…。
「ふははっごめんごめん。で、なにがどうしようなの?」
まだ、笑ってるし。
「別になにもないよ…」
「ふ~ん。」
田中くんが聞いてきたのにまったく興味がなさそうだ。