短編

「ホワイトデーまでに管野に俺のことたくさん知ってもらう。だから、管野も俺に管野のことたくさん教えて?」

「だから、ホワイトデーまで返事は待って?」


熱い懇願するような瞳に私の心臓がドキドキと動き出す。


「管野?女々しくてごめんな。けど、本当に好きでどうしようもなくて、思わず告白してた。」


そう言って、綺麗な顔を苦しそうに歪めて笑う田中くんに私のドキドキが加速する。



「…わ、わかった。」


「ありがとう。」


とても綺麗な笑顔で田中くんが言った。




「じゃあ、一緒に帰ろ。もう暗いから送ってく。」


「あ、ありがとう。」


「お礼ならキスでいいよ。さっきは遠慮してほっぺで我慢したから。」


「ふぉえ!?」


「ふははっ!冗談だよ、また、変な声だしてる」


さっきまでの弱々しい雰囲気の田中くんはどこに?
うぅぅ、ホワイトデーまで私の心臓もたないかも。



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