天地来召
第1章
消える記憶と空飛ぶ蒼き瞳。
走っても、走っても周りは、火の海…
さらには、空いっぱいには、竜が飛び交かい、魔界の獣達も暴れ回っている。
先ほどまで、外で遊んでいた子ども達や、微笑みながら談話をしていた、平和な村は、今では気が狂いそうになるほど、充満している死臭と血の匂い…
さらには、焼け焦げた死体の数々にかこまれている。
絶望と恐怖の狭間で揺れ動く…
聞こえるのは、助けを求める人々の声と、逃げ惑う村人達の叫び声…。
「た…助け…て…」
「熱い…熱いよ~(泣)」
「い…嫌…止めて…お願いだ…だから…」
「来ないで…来ないでっ…いやぁ~っ(泣)」
それは、まるで地獄絵のような光景…
それを横目に息を切らしながら走る女性がいた…。
そんな女性の目の前に、立ち塞がるのは、魔獣ケルオだ…
その姿は犬のような体格をしているが、大型犬よりも遥かに大きい…
漆黒の闇を身に纏っている。
そんな、中で「ぎらり」っと2つの黄色い目がさらに、恐ろしさを醸し出している。
銀の牙に、刀のように鋭く、鉄より遥かに硬い爪を持っている…
魔界の中でも、1、2を争う残酷さを持つとして、名を馳せている。