輝く季節へ
叔母の家
十二月の終わりごろ・・・
確か終業式の次の日くらいだったかな。
前々から旅行に行く計画が
家族内で挙がっていて、
冬休みは夏休みに比べて短期間だし、
遠出はやめにしようってことで
親戚の家にお邪魔することになったの。
隣県にあるお家で、
車で片道二時間くらいかかる場所なの。
その親戚っていうのが、
私のお母さんのお姉ちゃん
(つまりは叔母さん)で、
私にすごく優しくしてくれるから好きなの。
お小遣いも訪れるたびにくれるし。
叔母さんは、名前が紀子だから
私は「のりちゃん」って呼んでるんだ。
のりちゃん一家は、
私が小学校に入学した年の春に
引っ越したんだって。
それまでは同じ市内に住んでいたんだって。
幼稚園の時は月に一回くらい遊びに行ったり
着てもらったりしてたらしいの。
それからのりちゃんには ―
のりちゃんには、子供がいて・・・。
つまり、私の従兄弟にあたる存在ね。
とにかく、昔から家族同士仲良しなの。
それでその時は
三泊四日させてもらったんだ。
クリスマスのお昼過ぎに
のりちゃん家を出発したことを覚えてる。
二十五日の夜は我が家に帰って
パーティーしましょう、ということで。
帰りの車に乗っているとき、
なんと雪が降ってきたの。
日が短い時期だからいい感じに薄暗くって、
すっごく綺麗だった。
でもちょっと切なかったな。
何といっても恋をしている最中だったから。
そんなロマンティックな演出を
こんな所でしないで欲しいと思った。
せめて学校にいる時ならよかったのに・・・。
直樹君が同じ敷地内にいるのなら・・・ってね。
もちろん、旅行はとても楽しかったんだよ。