輝く季節へ
痛み。
お正月も終わって新学期が始まって、
あっという間に五年生になる。
五年生といえばちょうどクラス替えの年。
私の通っていた小学校は、
2年単位でクラス替えを実施していたの。
私は期待に胸を膨らませるわけよ。
何にって、そりゃもう
直樹君のことに決まってるじゃない。
「同じクラスになりますようにー」って、
これでもか!ってくらい
神様に懇願していたわ。
新学期初日、
校庭に張り出された名簿表を見たときなんて、
自分の名前と同じくらい
念入りに探しちゃったもの。
最後には直樹君の名前を
先に見つけちゃったし。
すごい気迫よ、もう。
・・・とは言うものの、
残念ながらクラスは別々。
ずーっとずーっと
首を長くしてこの日を待っていたのに、
運命に見放された気がした。神様の意地悪。
「これからまた、二年間・・・。」
気が遠くなりそう。
気が遠くなりそうな、長い年月。
ずっと好きでいるんだって確信してた。
直樹君だって、先輩だって。
それは「恋」をしてたからなの?
夢中だったからなの?
本当は確信なんてできるものじゃなくて、
そんなの要るものでもないのかも、ね。
そう・・・『初恋の継続』は消えた。
いつの間にか先の道は崩れた。
意外とあっけなく幕を閉じた。
長い長い、ときめきの糸。
バレンタインデーだって、
何度もチョコレートを渡そうとした。
でもできなくて。自信がなくて。
どこか私は傍観者のようだった。
『恋』なんて、キライになりたかった。
私は『恋』を、好きにもキライにもなれなかった。
「誰も彼も好きなんだもの」
そう言う心が、
今にも誰かに気づかれて怒られそうなくらい、
シンクロしてた。
神様、もし天罰をお下しになるならば、
私をどうされますか?
私は何を謝ればいいのですか?
優柔不断さ?それとも過度な夢中さ?
もしくは思い上がりや自惚れ?
それとも
恋心自体?
けど、けど、けれど。
それが罪だと判ったところで、
止めることなどできやしない。
きっと誰だってそう。いくつも重ねてしまう。