輝く季節へ
 
アスレチックで楽しんでいる時に、
私遊具から降りられなくなっちゃったの。
少し高所恐怖症のトコがあるのに、
張り切りすぎちゃって
(マッコの事言えない)・・・。

てっぺんに登ったものの、
下を見下したらビックリ!しちゃって。
私がおそらく恐怖顔で
慌てふためいていると、

 「あと三歩下に降りて来い!
  そしたら何とか助けられる!」

って言って、私に向かって
手を伸ばしている男の子がいたの。

なんとそれはあの長身クン。
私は彼の言う通りに三歩下に降りたの。
その時の情景はまるで
スローモーションのようだったわ。



    
   胸がはじけそうに。

       胸が苦しくて・・・。



   胸がはじけちゃいそうに。

       胸が苦しい・・・。



 一歩降りていく度に瞳が眩しい。

 優しい手が、私を待っていてくれる。


 待ってて。
 待っててね。


 もう ―
  
     もうすぐ ―


 
       ― ズキン、ってした。



 私は長身クンの両腕に抱えられて、
すぐに地に足を着けることができたわ。
長身クンは 
 「もう無理すんじゃねーよ。」
とだけ言い残して、
私がお礼の言葉を掛ける隙もなく
別の遊具に遊びに行ってしまったの。
呆然とする私に、
マッコは少しだけ間を置いて
「へぇー、珍しく優しいじゃーん。」
って彼の姿を見つめながら
私に声を掛けたの。


マッコの口調は普段通りだったけど、
どこか表情に陰りがあった気がした。



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