輝く季節へ
 

 あなたからのメール・着信履歴・・・ 
 見るたびに悲しくなるから、全部消すね。


 削除を選択しようとして、
 一瞬指が止まった。
 

 ごめん・・・また声が聞きたい。
 私の思い、届きますか?
 どうしようもできないすれ違い・・・。
 分かってください。


 だって、
 信じることができなかったんだもの ―




 青信号が赤信号に変わるのは、
 決められていることだよ ―



 分かってるよ、ジング。




*************



 「オレさぁー、ずっとおばけ屋敷
  やってみたかったんだよね。」

 「そうなんだ~!実は私も!」

 「マジで?んじゃ、ぜってぇ頑張ろうな!」

 「うん、楽しみだなぁ~。」

 「お前がいるとさ、なんていうか・・・
  明るいムードになるよな。」

 「え・・・そうかな・・?」

 「ああ、クラスに必要な存在だと思うぜ。」



*******************



 「おばけ役ってさ、結構面白いよな!」

 「ね~☆私もそう思う!」

 「お前って色白だからさ、
  よく似合ってるし。」

 「・・・それって誉めてるの?」

 「当たり前だろ。肌綺麗だしさ。」

 「そ、そうなのかぁ・・・。」



*****************



 「ねぇ、ちょっといいかな?」

 「おう、どうした?」

 「あのさ、ジング・・・これ、あげる。」

 「おっ、チョコレートじゃん~!
  マジ嬉しい。サンキュー☆」

 「ううん・・・じゃ、じゃあね!」

 「おう、マジでサンキューな!」



*****************



 行動の裏に隠された、本心。


 いつ何処で知ってしまうのか、
 予想もできない。

 一度切れてしまった糸は、
 もう二度と元には戻らない。


 また同じように失うの?

 また同じなら、
 いますぐに失った方が・・・


 同じことの繰り返しは、
      もう嫌だ ―




 ねえ、知ってる?こんな台詞。

< 46 / 52 >

この作品をシェア

pagetop