カイラムの買い物
カイラムは、ずっと真珠だと思っていたが、改めて近くで見ると、ぬらぬらと光を反射する得体の知れない白い玉だった。
「もしかして、これが……」
「そ、これがセグロアオトカゲの雌の右目。稀少品なんで、身に着けているのさ。
うちには、この十二個しかないけど、いったいいくついるんだい?」
「えーと、二個です。
じゃ、ついでにキハダ甲魚の背鰭と紅炎香もください」
にこにこ笑ってカイラムは言った。
「二個もかい?
紅の奴、いつもは一つだってのに、いったいなにしようてんだろ。
研究でも始めて元老院に入ろうってんじゃないだろうね」
ぶつぶつ言いながら、ネックレスを外し、そこから二個の目玉を抜き取る。
女主人は、なにげに扱っているが、セグロアオトカゲの雌の右目は、猛毒である。長い時間素手で触れているだけで体内に入り込み、死に至らしめる。
「はいよ」
女主人は、手の上の二個をそのままカイラムに差し出した。
「あ、どーも」と言いつつ、カイラムは素手で受け取った。
「もしかして、これが……」
「そ、これがセグロアオトカゲの雌の右目。稀少品なんで、身に着けているのさ。
うちには、この十二個しかないけど、いったいいくついるんだい?」
「えーと、二個です。
じゃ、ついでにキハダ甲魚の背鰭と紅炎香もください」
にこにこ笑ってカイラムは言った。
「二個もかい?
紅の奴、いつもは一つだってのに、いったいなにしようてんだろ。
研究でも始めて元老院に入ろうってんじゃないだろうね」
ぶつぶつ言いながら、ネックレスを外し、そこから二個の目玉を抜き取る。
女主人は、なにげに扱っているが、セグロアオトカゲの雌の右目は、猛毒である。長い時間素手で触れているだけで体内に入り込み、死に至らしめる。
「はいよ」
女主人は、手の上の二個をそのままカイラムに差し出した。
「あ、どーも」と言いつつ、カイラムは素手で受け取った。