俺様王子はシャイボーイ?!





『なんでって…。好きだから好きって伝えたいでしょ?俺の方に少しでも向いてほしいから。』



蒼山の横顔がちょっと寂しく見えた。



…ごめん、蒼山。


私は…、


「蒼山、私ね…『それ以上は聞かないよ。』




「…え?」



蒼山は私の真正面に立った。


その顔は少し切なくて、でも優しく笑っていた。




『俺はまだ奈央ちゃんのこと諦めてないから。』



そう言って蒼山は教室から出て行こうと、私に背を向けた。



蒼山は後ろを向いたまま、


『奈央ちゃんに、好きな人がいても…ね。』


そう言った。

…蒼山、私なんかより良い女の子はいっぱいいるんだよ?







< 188 / 256 >

この作品をシェア

pagetop