鬼の名の下
「お前も・・・独り・・?」




『そうだね。独りだよ』




例え祖父様が居たとしても、僕は独り。



生まれてから、僕はずっと独り・・・。



「そうか・・」



そう言いながら、猫君が僕の横に腰を落ち着かせた。



『ねぇ、猫君』


「んにゃ?」


『ちょぉーっと聞いてもいいかな?』


「んにゃ」


『・・・ここは何処?』


僕は空に向けていた視線を、路地のほうに向けながら尋ねた。



「さぁ。」

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