鬼の名の下



誰一人喋らない部屋に





水音のしなくなった部屋に







息を呑む音が、静かに響いた。







腕を伝っていた血を適度に舐め取ったお陰か、ある程度傷口が見えた。






『クスクスッ』




静かになった部屋に、僕の笑い声が響いた。



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