鬼の名の下
「おいでやすぅ」


暖簾を押し上げて中に入れば、中居さんが出てきた。


『すいません。部屋を一つお願いしたいのですが・・』


「お一人様でよろしゅうどすか?」


『はい。あ、猫が一匹』


「ええですよ。ほんならこちらです」


白羅を肩に乗せなおして、中居さんの後を付いていく。



「こちらのお部屋になります。ごゆっくりぃ」



部屋は畳が綺麗にしかれた10畳くらいの広さ。いや、正確にはわからないけど・・。



「んにゃぁ・・お腹すいたぁ・・」


『そうだな。先に飯にするか』


「んよっしゃ!」


喜んでピョンピョン跳ねる白羅をよそに部屋を出て中居の元へ良く。



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