鬼の名の下
「おい、あんた・・」


ビクッ



「あんた、一体誰だ・・?」


白羅のことを考えていた所為か、人の気配に気が付かなかった。


どうやら、部屋の奥の方に人が居たらしい。



「俺は長州の佐伯だ。お前見たことねぇ顔だが・・?」


やっぱりそうか・・・。


長州の人間がここに居るってことは・・・・


さっきのは世に名高い・・・〈池田屋事件〉・・ね。



気づかなかったなぁ・・。


それにしても、このおっさん・・40代くらいかな・・?



「おめぇ・・長州の者じゃねぇな?」


鋭い眼光で僕の目を見た佐伯さん。


『まぁ』


「そうかい。そりゃぁ運が無かったな」


がははっと笑う彼の目は不安で一杯だった。


「おめぇさん、若く見えるが幾つだい?」


『17です』







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