鬼の名の下
そんなことをぼんやり考えながら、そっと目を閉じた。



目を閉じれば広がる闇・・。



そして、過去・・・・。



ギシッ


人の足音が聞こえ、スッと襖が開いた。



「立て」



黒の長い髪を後ろで一つに縛った男が、佐伯のまで呟いた。



佐伯は無言で立ち上がり、そのまま部屋に戻ってくることは無かった。




早く僕の順番が来ないかなぁ・・・。



早く・・早く・・・。



今すぐにでも、この命・・奪ってくれれば良いのに・・・。





< 44 / 163 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop