鬼の名の下
ガササッ


真下で何かが動く音がした。


咄嗟に構えを取ろうとしたが、ここは木の上。

さらにいえば、まだ夏になる前で夜は少し肌寒い時季。


そんな季節に一晩体中血だらけで、木の上で寝ていたんだ。


体がそんなに動くはずもなかった。



まぁ、そんなわけだから、そりゃぁ見事に落ちたわけよ。




木の上から。



うん。自分でも超びっくりだわ。


体がぜんぜん動かなかったんだよ。


あーー。落ちるなー・・。


なんて、ボーーと考えていたのに、何故だか全然痛みが襲ってこない。


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