伝えたい想いは、ありすぎて。







「あ…」


その人影に吸い寄せられるように近付くと、さらさらの黒髪を靡かせた


――中沢くんがすやすやと眠っていた。



なんで、ここに?
…しかも寝てるし。



彼の顔をまじまじと見る。
睫毛長いな…。
少し鼻が高くて。
寝顔でも、端正な顔だということがわかる。






「――リサ。」


「へっっ?」


不意に名前を呼ばれて、素っ頓狂な声をだしてしまった


彼はまだすやすやと眠ったまま。


あたしの名前―…
呼んだよね?


いや、あたしの勘違いかも知れない。
リサはリサでも、リサっていう名前の子は世の中に沢山いる。










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