伝えたい想いは、ありすぎて。






別になにかを話すワケではなくて。


二人で席に座って各々本を読んでいる。


その空気は気まずくなくて、むしろ心地いい。



「……里沙」


「どうかしたの?」


不意に名前を呼ばれてびっくりした


「里沙って、小さい頃はどんな子どもだった?」


「小さい…頃?」


いきなりその質問?


そう聞こうと思ったけど、なぜか中沢くんの瞳が切なさを帯びていて。


胸が苦しくなった――…。









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