伝えたい想いは、ありすぎて。






「小さい頃は、やっぱりずっと本を読んでたかなあ…、花の名前を覚えたりもしてたな」


ずっと書庫にこもってたなー。


「そっか」


「遊ぶ友達もあんまりいなかったし…」


友達、少ないしね。


「ねぇ、里沙?…俺のコト、覚えてない?」


「えっ――…?」


中沢くん、あたしと会ったコトがあるってこと?


だから、小さい頃の話を聞いたの?



でも―…。
「ごめんね、覚えてない」


あたしの記憶に貴方はいない。










< 37 / 106 >

この作品をシェア

pagetop