伝えたい想いは、ありすぎて。
「小さい頃は、やっぱりずっと本を読んでたかなあ…、花の名前を覚えたりもしてたな」
ずっと書庫にこもってたなー。
「そっか」
「遊ぶ友達もあんまりいなかったし…」
友達、少ないしね。
「ねぇ、里沙?…俺のコト、覚えてない?」
「えっ――…?」
中沢くん、あたしと会ったコトがあるってこと?
だから、小さい頃の話を聞いたの?
でも―…。
「ごめんね、覚えてない」
あたしの記憶に貴方はいない。