伝えたい想いは、ありすぎて。





知りたい…
知りたいですけれども。


その言葉が喉につっかえて何も言えない。


こんなときにどうして…


「あ、の…」


「ん?」


優しく促してくれているような瞳に、いつものように吸い込まれそうになる


「里沙…」


中沢くんの手が髪に触れて、ゆっくりと撫でられる


不思議と心地よくなって、やっと言葉を発した


「…知りたい。」


まっすぐに碧い瞳を見つめ、答えを待つ。









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