伝えたい想いは、ありすぎて。





「むかえにくるまで、それをぼくだとおもって。」


「…うん」


まだ降り続く雨、止まらない女の子の涙。


男の子も泣く寸前なのか鼻をすすっている


「…バイバイ。」


男の子は女の子のまぶたにひとつキスを落として、離れて行く


「…バイバイ…」


なんとか女の子も、声を絞り出せた。




――遠ざかって行く車。


「アオくん…」


大雨の中でも、女の子は自然と走り出していた









< 85 / 106 >

この作品をシェア

pagetop