CHIME
「お前が!?」


露わにした怒りを表情に浮かべ、入って来た透を睨みつける。


鈍い音と共に透の体は宙に飛び、すぐに胸座をつかみ上げられた。


「お前が私の息子をっ!!」


透は真っ直ぐな目で、自分を殴った男を 見つめる。


「何だその目はっ!?」


男がもう一度手を振り上げた瞬間、泉がその手をつかんだ。


「それくらいでいいでしょう。こっちは既にあなたの息子達の、十倍以上のダメージを受けているんですから」


男はキッと泉を睨む。


「どういう事だ!?」


泉はにこりともせずに続けた。


「御存じないんですか。じゃあお話します。我々のクラスメートに、後藤と言う生徒がいました。先日、殺害されましたが」


泉の一言に校長は顔面蒼白になる。


「その人は彼、つまり高褄先輩を殴った朝霞君の親友でした。ただ、ただそれだけの理由で…彼はあなたの息子達に殺されたんですよ。『復讐』を騙ってね」
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