CHIME
二時間目
その後上級生の3人は、父親がだったにもかかわらず、彼らの主張は却下され、透や泉にお咎めはなかった。


次の日学校に来た透に、周りがかなり好意的だったのがその証拠である。


「すげーじゃん透!」


目の前のドアの真ん中に立つ後藤の第一声に、あと一歩で教室に入るであろう足を透は思わず止めた。


「…は?」


「昨日、あのすっげーこえー高褄先輩達を懲らしめたんだって!?」


そういやアイツら高褄とか言ったっけと透はぼんやりと思い出す。


「学校中がお前らをヒーロー扱いしてるぜ。さすがだな透!!いつかはやってくれると思ってたけど、まさか最初からとは!!」


笑いかけた顔が一瞬引きつる。


「…ちょっと待て、お前らって?」


「何言ってんだ!お前と泉だろ?スゲェな。泉もやるもんだなぁ」


「だぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!」


ひたすら感心している後藤の目の前で、透は頭を抱えた。


「…ってどした?透」


不思議そうに言う後藤の足下でしゃがんだままで。
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