執事と共にホワイトデーを。
「もう、いつもは私が怒られているのに、逆転しているじゃない」


と、息の掛かるほど近くで恵理夜は笑っていた。

肘を着いて恵理夜に迫る春樹の方が、困惑した表情を見せている。

薬を失ったことで、貧血状態を起こしているのだ。


「お疲れ様、春樹」


恵理夜は、いつもの優雅な笑みでそう言った。

その微笑に、春樹もようやくいつもの調子を取り戻した。


「もったいないお言葉です」
< 120 / 125 >

この作品をシェア

pagetop