執事と共にホワイトデーを。
「え、恵理夜様っ」


恵理夜は、唐突に春樹の肘を折った。

春樹の耳元が、息の掛かるほど近くに下りてくる。

その耳元に囁いた。


「感謝しているわ、貴方に」


主人からの、ストレートな感謝の言葉。

あまりに幸福なその言葉に、春樹は微笑みを湛えたまま、目を閉じた。

心と体、両方に感じるぬくもりを抱きしめながら。
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