執事と共にホワイトデーを。
「まずは、これを飲みましょう」


恵理夜は、やや渋るような表情を見せる。

そんな恵理夜に、春樹は穏やかな表情のまま告げた。


「それから、今日は桂花茶をお入れしますよ」

「けいかちゃ?」

「キンモクセイのお茶です」


流石は優秀な執事だ、と恵理夜は苦笑する。

その目に、悲しみの色は無くなっていた。
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