執事と共にホワイトデーを。
昨日の夜から、嫌な予感はしていた。

春樹は、昨日一日休暇を取っていた。

しかし、休みといえど遠出をしていない限り彼は、朝と就寝前には必ずと言っていいほど恵理夜の元を訪れていた。

――だが、昨日彼は、就寝前の恵理夜の元を訪れなかった。

遠出の予定など聞いていない。

もちろん、彼の休みである限り恵理夜の元を訪れることは義務ではない。

けれど、出勤の日であるはずの今朝も彼が来ていないというのは、間違いなく何かがあったとしか思えなかった。
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