執事と共にホワイトデーを。
「私は、何も聞いていないが……」


恵理夜は、じっとシラヤナギを見つめた。


「どうかしたかい?」


恵理夜は、そっと視線を外した。


「いえ、なんでもありません……。ありがとうございました」


恵理夜は、不安げな様子のままシラヤナギの部屋を出ようとした。


「恵理夜、」


その背を、シラヤナギが呼び止めた。


「一応、私の方でも当たってみるよ。学校だけは、きちんと行くんだよ」

「はい。お願いします」


恵理夜は、力なく微笑んで頷いた。
< 21 / 125 >

この作品をシェア

pagetop