執事と共にホワイトデーを。
「実は、これが僕の病室に届けられてたんだ」


タクミは、一通の手紙を差し出した。

宛名は恵理夜のものになっている。


「間違えて来たんだと思ったんだけどね。よかった、渡せて」

「ありがとう、タクミくん」


恵理夜は、大きな眼を真っ直ぐにタクミに向けて礼を言った。

どういたしまして、と目線を逸らしていうあたりが、少年らしくてようやくその表情が和らいだ。
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