執事と共にホワイトデーを。
――初めて、恵理夜に武術を教えたのは父である。

温和ながら空手の有段者でもあった父。

この道場で、厳しくも優しく稽古をつけられた。

そして、母もまた、強かった。

ここで鍛えた体力が無かったら、恵理夜はとっくに病魔に負けていただろう。

今でも、それを忘れたくなくて恵理夜はここで稽古をつけている。
< 63 / 125 >

この作品をシェア

pagetop