執事と共にホワイトデーを。
「日々の感謝を込めて、贈り物を、ね」


シラヤナギは、恵理夜に大きな箱を手渡した。


「これは……?」

「昨日、春樹と選んだんだ。開けてごらん」


恵理夜は、促されるままに箱を開いた。

「綺麗……」


――それは、淡い色のドレスだった。

基調は白だが、角度によって様々な色に見えた。

何重にも重ねられたシェフォンのおかげだ。

フォーマルウェアにふさわしいドレス。
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