先生がいなくなってからの二十日間
プロローグ
ポツンポツンと雨が降る
そして、雨は徐々に強さを増し勢いよく降り出してしまった。
私は今、どこにいるのだろうか。
四つん這いになり私は目的地に向かう。
頭から血が流れあちこちに激痛が走る。ミルクティーの色したコートが泥まみれになりやがてコートも赤く染まる。
大雨に打たれ寒さに凍えながら私は大の字になって空を見上げた。
(さ……と…み、里美………)
私は何度も里美、里美と娘の名前を呼んだ。
それでも容赦なく雨が針のように私のすべてに降り注ぐ。
だれも来ない。
もう何もない………。
さ…と…み…………
目的地に向かわなきゃ…………向かわなきゃ…………。
その時足音が聞こえた。
誰か来る………。
私の方に来る……。