よゐしこのゆめ。
シルバーの細い髪が、それに合わせてきらきらと揺れる。
「そういえば、妖精って……何の冗談?芝居の練習でもしてるわけ?劇団員?」
髪も格好も奇抜だし……。
そう思って聞いたけど、彼はあからさまに不機嫌そうな顔をした。
「信じてないんだ。こっちは初めて人間と話せて嬉しかったのに……」
「は?」
「信じてないなら良いよ。劇団員でも何でも。しばらく俺の話し相手になってくれるならね!」
にこっとしながらわたしを覗き込んだ彼から、思わず顔をそらした。
反則でしょ、それは……――――
「話し相手って、どういうこと?」
その体勢に我慢できなくなって体を起こす。
そのまま彼の横に座り直して、わたしは聞いた。
「そうだなー。じゃあ、まず、俺の設定聞いてくれる?」
「設定……?」
「そっ!だって、俺は劇団員なんでしょ?だから、この役の設定説明をしないと。
そうすれば、話し相手に歩巳が必要な理由もわかるだろ」
相変わらず崩れない笑顔が、何だか嫌味にも思えてくる。
わたしは、はぁ、と溜息をつくと、話すように促した。