よゐしこのゆめ。
 

シルバーの細い髪が、それに合わせてきらきらと揺れる。



「そういえば、妖精って……何の冗談?芝居の練習でもしてるわけ?劇団員?」



髪も格好も奇抜だし……。


そう思って聞いたけど、彼はあからさまに不機嫌そうな顔をした。



「信じてないんだ。こっちは初めて人間と話せて嬉しかったのに……」


「は?」


「信じてないなら良いよ。劇団員でも何でも。しばらく俺の話し相手になってくれるならね!」



にこっとしながらわたしを覗き込んだ彼から、思わず顔をそらした。


反則でしょ、それは……――――



「話し相手って、どういうこと?」



その体勢に我慢できなくなって体を起こす。


そのまま彼の横に座り直して、わたしは聞いた。



「そうだなー。じゃあ、まず、俺の設定聞いてくれる?」


「設定……?」


「そっ!だって、俺は劇団員なんでしょ?だから、この役の設定説明をしないと。
そうすれば、話し相手に歩巳が必要な理由もわかるだろ」



相変わらず崩れない笑顔が、何だか嫌味にも思えてくる。


わたしは、はぁ、と溜息をつくと、話すように促した。
< 18 / 50 >

この作品をシェア

pagetop