よゐしこのゆめ。
「妖精が直接関われる人間は、生涯で一人って決まりだから」
さっきまでと変わらない笑みを浮かべられた。
でも、その奥にどこか
寂しげな雰囲気が漂っている気がするのは気のせいだろうか?
何だか、その演技力に圧倒された。
そのせいかな……?
彼の演技に、付き合ってもやろう、なんて、新しい感情が生まれた。
「なるほどねー。だからわたしがいないと困るわけだ」
「そうそう、わかってくれた?」
わたしが話に乗ってきたからか、彼はこれまでと違って面白そうに笑った。
そんな彼の姿を見て、わたしまで気持ちが弾む。
「じゃあ、これからあなたに付き合ってあげる!で、何の話をするの?」
そう言って彼に笑いかけると、彼は真剣な表情で言った。
「今日は話さない」
「え?」
「今日はもう遅いから、早く家に帰らないと。俺は明日も、いつでもずっとここにいるから、今度はもっと早い時間に来いよ」