よゐしこのゆめ。


「えっ!?あ……ごめん。気付かなかった」


「まったく……。もうホームルーム終わったよ?」


「え?あ、やば……もう式?」



そう言いながら、隣に立つ麻奈を見上げる。


そんなわたしを見て、呆れた表情を浮かべると、麻奈はまた口を開いた。



「どーせ、また話聞いてなかったんでしょ?よくわかんないけど、今日は式の前に今から掃除だって」


「は?何で……」


「あたしだって知らないよ。何か、式の後だと面倒臭くなるからだって。だったらやるなよって感じだけどさー」



確かに、なんて呟きながら、わたしは立ち上がった。



「わたし達はどこって?」


「いつもの掃除と一緒。家庭科室だって。てか、今度からは自分でももう少し話聞こうよ」


「はいはい。いつもありがと!」



軽く頬を膨らませる麻奈に笑いかけながら、わたしはドアの方に向かった。



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