暗黒物語 【黒兎】
黒兎ノ壱
昔々、ある所に真っ黒なウサギがいました。
真っ黒なウサギはとっても人見知りのウサギで、森には友達が数人いる程度でした。
でも、ウサギは幸せでした。
何故なら、例え数人でも自分の周りに心から安心できる存在がいたからです。
ウサギの友達はカエルや鳥、はたまたコウモリまで個性豊かです。
しかし、彼らは皆ウサギの優しさに引かれていて、皆仲良くしていました。
そんなある日です。
森に、他の森から一匹の狐が迷いこみました。
森の動物達は皆、よそ者の狐を無視したり、嘘をついたりしてイジメました。
もう狐が心も身体もボロボロになってヨタヨタと歩いていると、木でできた家を見つけました。
表札には、こう書かれています。
『優しい白兎の家』
狐はワラにもすがる思いで、家の扉を叩きます。
「ああ、心優しく白いウサギさん、白いウサギさん。 どうかこの扉を開けてはくれないだろうか? 私はもう心も身体もヘトヘトだ。 一時でいい、どうか中で休ませておくれ」
すると、中からウサギが答えます。
「それは無理だよ狐さん。 もし開けたら、きっと僕は死んでしまう。 君に悪気がなくても、きっと僕は死んでしまう」
狐は、それでも扉を叩きます。
「ウサギさん、ウサギさん。 決して君を傷つけない。 決して君に嫌な思いはさせない。 だからどうか扉を開けておくれ」
真っ黒なウサギはとっても人見知りのウサギで、森には友達が数人いる程度でした。
でも、ウサギは幸せでした。
何故なら、例え数人でも自分の周りに心から安心できる存在がいたからです。
ウサギの友達はカエルや鳥、はたまたコウモリまで個性豊かです。
しかし、彼らは皆ウサギの優しさに引かれていて、皆仲良くしていました。
そんなある日です。
森に、他の森から一匹の狐が迷いこみました。
森の動物達は皆、よそ者の狐を無視したり、嘘をついたりしてイジメました。
もう狐が心も身体もボロボロになってヨタヨタと歩いていると、木でできた家を見つけました。
表札には、こう書かれています。
『優しい白兎の家』
狐はワラにもすがる思いで、家の扉を叩きます。
「ああ、心優しく白いウサギさん、白いウサギさん。 どうかこの扉を開けてはくれないだろうか? 私はもう心も身体もヘトヘトだ。 一時でいい、どうか中で休ませておくれ」
すると、中からウサギが答えます。
「それは無理だよ狐さん。 もし開けたら、きっと僕は死んでしまう。 君に悪気がなくても、きっと僕は死んでしまう」
狐は、それでも扉を叩きます。
「ウサギさん、ウサギさん。 決して君を傷つけない。 決して君に嫌な思いはさせない。 だからどうか扉を開けておくれ」