暗黒物語 【黒兎】
黒兎ノ弐
狐は困った顔をして見ていると、ある事に気付きました。
ウサギの通った後に、赤い染みができていたのです。
「ウサギさんウサギさん。 その染みはなんですか?」
「ああ、これは昨日お腹の空いたコウモリさんに血をあげたんだ。 でも困った事にそれから血が止まらなくて…」
「えっ?」
狐がよく理解できずにいると、 ウサギは思いついたかのように言いました。
「そうだ! まだ僕にはたった一つだけ君に優しくできる事があったんだ。 コレなら、君はお腹も空かないし寒くない!」
「えっと、あの……」
「待ってて、今すぐできるから」
「あ、はい」
狐が頷くとウサギはニッコリと笑って、自分の爪で腹を裂きました。
たちまちウサギの足元は血の海です。
でも、ウサギは満足そうにいいました。
「僕が死ねば、君は僕の肉でお腹が膨れる。 そして、食べ終わったあとの毛皮で温かいコートができる。 いい考えでしょ?」
「う、うぁああああぁあ!!」
「なんで怖がるの? さっきは頷いてくれたじゃないか。 ここまできてそれは無しだよ。 ほら、食べてよ。 ねえ……」
ウサギの通った後に、赤い染みができていたのです。
「ウサギさんウサギさん。 その染みはなんですか?」
「ああ、これは昨日お腹の空いたコウモリさんに血をあげたんだ。 でも困った事にそれから血が止まらなくて…」
「えっ?」
狐がよく理解できずにいると、 ウサギは思いついたかのように言いました。
「そうだ! まだ僕にはたった一つだけ君に優しくできる事があったんだ。 コレなら、君はお腹も空かないし寒くない!」
「えっと、あの……」
「待ってて、今すぐできるから」
「あ、はい」
狐が頷くとウサギはニッコリと笑って、自分の爪で腹を裂きました。
たちまちウサギの足元は血の海です。
でも、ウサギは満足そうにいいました。
「僕が死ねば、君は僕の肉でお腹が膨れる。 そして、食べ終わったあとの毛皮で温かいコートができる。 いい考えでしょ?」
「う、うぁああああぁあ!!」
「なんで怖がるの? さっきは頷いてくれたじゃないか。 ここまできてそれは無しだよ。 ほら、食べてよ。 ねえ……」