AL†CE!
佐柚はもう、
何がなんだかわからなかった。
こんな功は見たことがなかった。
めったに喧嘩に負けない佐柚の腕が
いとも簡単に振りほどかれた。
この人は、強い
とこわくなった。
殴り合いは止まらない。
目の前で、大切な人たちが
傷つけあっている。
我慢できなかった。
「もうやめて!!」
大声で叫ぶ。
大地が床に倒れた。
功がのしかかる。
拳がまた、振り上げられた。
「功さん!」
すかさず、
佐柚は大地の上にかぶさった。
「おい、やめろっ」
大地が焦って声をあげる。
ドスッ
と、鈍い音が鳴った。