AL†CE!
それは怒鳴り声だった。
夜の病院に似つかわしくない荒い声。
絢華は何も言わなかった。
功は舌打ちをして、
自分の髪をぐちゃぐちゃにする。
元彼と事故にあった絢華にも、
絢華を事故にあわせた元彼にも、
苛立つことしかできない自分にも腹が立った。
絢華の視線は功をとらえた。
しかし功はその目を直視できなかった。
どこでもない、ただ一点を見つめる。
それでも、
虚ろな絢華の瞳から
涙が落ちたのには気がついた。