AL†CE!
ふいに、後ろから抱きしめられた。
ちっちゃいくせに力は強くて、あたしは振り向けなかった。
何、この子…
「…死んじゃダメだ」
男の子の声は、落ち着いてて、どこか悲しくて、優しかった。
宗介に、似ている。
あたたかいものが、頬を伝った。
止まらなかった。
「泣いていいから、生きて、泣いて」
こんな、名前も知らない後輩の前で…
そう思ったけど、止まらなかった。
涙が止まらない。
嗚咽も、こらえられなかった。
「…宗介が、死んだの」
男の子は、うん、と小さく頷いた。
あたしの言葉を、待ってるみたいだった。
「宗介がいなかったら、生きていけないの、あたしもさくらも…」
宗介の笑顔が、頭にいっぱい蘇ってくる。
やだやだ、やめて_
消えろ、消えろ…
「ここがっ…1番、宗介に近くて…っ」
宗介が、この上で待ってる。
行かなくちゃ、いけない。
「行かなきゃ…っ」
あたしは急に、宗介が催促してるような気がして、男の子を振り払った。
でも今度は腕を掴まれる。
「放してよっ!!」
喉からでたのは、金切り声だった。
涙で顔もぐちゃぐちゃ。
男の子の声と、温かさが、宗介を思い出させる。
さいあくだ。