AL†CE!
「はなっ…放してよぉっ!なんで止めるの!?」
男の子を振り回す。
でも、放してくれない。
「呼んでるんだからぁっ、そ…すけと、梨沙も…っ」
あたしは泣き叫んでいた。
「有末さん!」
男の子が、なだめるようにあたしの名前を叫んだ。
あたしは男の子の名前を知らないのに。
「…死なないでくれ」
男の子の声は震えていた。
泣いてるの…?
あたしは抵抗をやめた。
そっと振り返る。
男の子は、唇を噛みしめていた。
なんでだろう。
死んじゃだめだ
って、
思った。