AL†CE!

「しっ!バカお前声デカい、デカい」

大地は佐柚を、教室のから見えないところへ押しやった。

「タメ口なんか聞かれたら、また誤解されるっつぅの」

「されとけばいいのに」
意地悪く佐柚が笑った。

大地は、バカか、と流してから佐柚が荷物を全て持っていることに気がついた。

「今来たの?」
「功さんは?」
佐柚は質問には答えず3-Iの教室を気にした。

「今日休み」

「ふーん…」
つまんなそうに口をとがらせてから、佐柚は大地の両肩に手をおいた。

「あのさ、今日部活?」

「いや、体調わりぃから今日まで休む。どうした?」

「今日だけあたしの彼氏になって」

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