AL†CE!

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そして、放課後。

今日は大地は部活に出ない。
体調が万全ではなかった。

しかし、用が、できた。

昇降口で靴を履く。

帰宅していく生徒達の流れの中から、佐柚を見つけるのは難しくなかった。

やはり佐柚は、目を引く。美人、だった。

大地を見つけるとすぐに、佐柚は笑顔になった。

花が咲いたかのように、佐柚の笑顔がはじけたのを見て、大地は安心した。

佐柚のバイトの事が気にかかってはいたが、それを確かめるのは今でなくてもいい、と思った。

佐柚にかけよる。


「お客さんは?」

大地が聞くやいなや、佐柚の笑顔は曇った。
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