AL†CE!
『おめぇみたいなやつがああいう坊主に…』
大木の言葉が頭からはなれなかった。
まるで呪文のように、佐柚の胸を締めつけている。
恥じなければいけないような生き方はしてこなかった。
いつでも自分がしたいようにしてきたし、言いたいことは言ってきた。
母親の顔は知らない。
大好きだった父親は死に、姉は借金を残して蒸発した。
借金を返すために風俗嬢になった。
普通の17歳のはずだ。
だがそれで、大切な人達が道を踏み外すようなことになるなら…
そしておそらく、
“穴川由梨子”は大地が好きなのだろう。
佐柚は結論をだしていた。