AL†CE!
「匂いでしょ?」
大地はあわてて顔を赤らめながら自分を弁護する。
「そう、こないだもさぁ、匂って。ジャスミンしょ?俺、間違ってないっしょ?」
「ジャスミン」
功が大地のまねをして何度もその花の名を口にする。
「香水。学校では髪にしかしてないの、よく気づきましたね」
佐柚が目を丸くした。
「だって匂うし」
大地が眉をよせて鼻をつまむふりをする。
「匂うとかサイテー」
功はひたすら笑っていた。
この日から、
佐柚と大地、功の距離は
縮んでいくことになる。