AL†CE!
「アリスちゃんさ~」
佐柚の下で、男がにんまりとした笑みで言った。
佐柚からは、
マッサージ台の上で
うつぶせに寝ている男の顔は見えないが、
そのいやらしい声から男の表情は容易に想像できた。
「はい?」
「二十歳って嘘だよね?」
男のその問いに、佐柚は驚かなかった。
「若く見えますかぁ?」
手は止めずに明るく言う。
「なんとなくだよ」
そう言って男は、ゴツゴツした少し湿った手のひらで、
腰にまたがり背中のマッサージをしている佐柚の、細く白い脚をなでた。
クソジジィ
と心の中で吐き捨てて、佐柚は
ふふ、と“照れ笑い”をして見せた。