AL†CE!

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「おい!誰か3階行こうぜ!」


10分休憩でガヤガヤした教室に、
外に出ていた男子がとびこんできた。


「なんだよ田口、美人でもいたか」

大地が窓際からそう言うと、クラスのみんなが笑った。

「ちっげぇよ、有末さんだよ!」


その名前に、功は寝ていた顔を上げ、大地も目を見開いた。

「有末さんがどうかしたの?」

さすが、佐柚の名は男子だけでなく女子にまでも知れている。

人目を惹く生まれ持った美しさは本物だ。


「すっげぇ色抜いたらしくて!金だってよ」

クラスの他の男子たちも、田口に続いて教室を出ようとした。

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