AL†CE!
「やめとけよヤジなんて」
大地が冷ややかに言った。
「有末の髪が金でも青でも、別になんだって一緒だろ。ちょっと染めただけで騒がれてちゃやってらんねーしょ」
功が、
やめとけ、と小声で言って
立っている大地のYシャツをひっぱった。
「女子はよくわかんだろ」
教室内の女子は、バツの悪そうな顔をして目配せをしあう。
功がため息をつきながら立ち上がった。
「悪いな、みんな!こいつちょっと朝からハライタでさ、気ぃ立ってんの。有末の金パだろ、俺もみる!」
子犬の笑顔でそう言って、功は田口たちの輪に加わった。
去り際、功は大地の背中をぽんっと叩いた。
「大地はトイレ行っとけよ~」
田口は笑顔で教室を出ていった。
女子からも笑いが漏れた。
大地はひとり、
頭をもしゃもしゃとかいて、教室をでた。